最近、「スケール」についての質問を受けることが多く。
Aさん「ドリアンってCメジャースケールをDから始めたスケールですよね?」
ふじい「CメジャースケールをDから始めたスケールは、Dのドリアンです」
Aさん「Dのドリアンってなんですか?」
というやりとりをすることががあります。
このボタンの掛け違いのようなものを解消したい。
まず、Cメジャースケールがあります。
これを、こんな風に書いてみます。
横軸が時間というか順番というか。
縦軸が音の高さ、みたいな感じです。
次にドリアンを考えます。
CメジャースケールをDから始めたスケールはこんなの。
おなじような図にしてみます。
で。
いいたいことはここなんですが。
ドリアンスケールってなんですか、といわれると。
これ。
この階段みたいものの形状(型)がドリアンスケールです。
ドリアンスケールは、7つの音からなるスケールで、
・1つめの音と2つめの音のあいだは全音
・2つめの音と3つめの音のあいだは半音
・3つめの音と4つめの音のあいだは全音
・4つめの音と5つめの音のあいだは全音
・5つめの音と6つめの音のあいだは全音
・6つめの音と7つめの音のあいだは半音
・7つめの音と1オクターブ上の1つめの音のあいだは全音
の関係であるもの。
なんで、スタート地点が決まらないと決まらないものなんです。
さっきの、レミファソラシドレ、は、レからスタートするのでD Dorian Scale。
ミから始まる、E Dorian Scaleはどうなるのというと、さっきの図にEを起点にしてこの階段をはめ込めば出てきます。
メジャースケール(イオニアン)も、Cメジャースケール、Dメジャースケール、Eメジャースケールとあるように。
ドリアンもフリジアンもリディアンもミクソリディアンもエオリアンもロクリアンも。
スタート地点+スケール名で音が決まります。
C Ionian、D Dorian、E Phrygian、F Lydian、G Mixolydian、A Aeolian、B Locrianは、
構成音は同じで、スタート地点が違うだけになる、と。
とはいえ、毎度、こんな大仰な図を書いて考えるわけにもいきません。
イメージがつかめたら、実用的には、こんなやりかたでスケールは書けます。
まず、イドフリミエロの呪文。
ドレミファソラシドの、
1番めから始めたらC - イオニアン(ドレミファソラシド)
2番めから始めたらD - ドリアン(レミファソラシドレ)
3番めから始めたらE - フリジアン(ミファソラシドレミ)
4番めから始めたらF - リディアン(ファソラシドレミファ)
5番めから始めたらG - ミクソリディアン(ソラシドレミファソ)
6番めから始めたらA - エオリアン(ラシドレミファソラ)
7番めから始めたらB - ロクリアン(シドレミファソラシ)
というのが覚えられたとしましょう。
たとえば、F#のドリアンのスケールが何かを導き出したい、とします。
まず、覚えているD-ドリアンを書きます。
この8つの音のあいだの間隔を次の記号を用いて書き表します。
すると、こんな感じ。
この記号だけを、書き写します。
寂しいですね。
欲しいのはF#のドリアンスケールなんで、一番左にファ#と書きます。
書いてある記号に従って、全音上の音か半音上の音を書いていきます。
どんどん書いていきます。
一番左と一番右がおんなじならば、まぁ、あってるでしょう。
完成!