There will Never be another you (4)

(前の記事はこちら)

 

ちょっと毛色を変えて。

現代のアルトサックス界に大きな影響を与えた(与えている)Kenny Garrett。

 

何を隠そう、わたくし、大好きで、影響を受けてます。

(そんな偉そうなものじゃなくて、単に真似っこしてるって話ですが)

 

大好きなんですが、一般的に参考になるのかというと、、、

でも、いろんなものを聴いて取り入れるのは、いいことです。(たぶん)

 

どうせ、アルトサックスプレイヤーしか興味ないでしょうからE♭譜面のみで。

1'52からのソロ、2コーラス分。

やっぱり、ハードバップ期とはだいぶ雰囲気が違います。 

 

 

まず、目立つのが強調された#11の音。

 

1コーラスめの13小節め~14小節め。

 

アルトサックスで言ってD7のコードでEのトライアド(三和音)を強調して吹いています。

 

これは、D7のところで、Dのリディアン♭7thのスケールを選んでいて。

和音でみて、上の方のテンションにある三和音を選んでいる、といった方がいいのか。

 

同じようなのが(セブンスコードなのかメジャーセブンスコードなのかが違いますが)2コーラスめの17-18小節め。

アルトサックスで言ってCのコードでF#の音がはいってきます。

 

これは、Cのリディアンスケールを選んでいて。

ここでは、もろにトライアドではありませんが、ギャレットのソロの中で、メジャーのトニックコードでルートの全音上のトライアドが強調されるシーンはよく見かけます。

2コーラスめのD7のところも、なかなか特徴的な音使いです。

 

近い音でCの音にアプローチして、そっから、D7の裏コードのA♭のトライアド。

 

その後吹き伸ばすのはB♭、D7の♭13thの音。

オルタードテンションですが、こう使うのは勇気がいります。

でも、一番えげつないのは、2コーラスめの頭でしょうか。

最初の2小節間、もろにフレーズを半音上げて、アウトしてます。

 

もととなるフレーズはこういうのがあるのかと。

半音下げると、いたって「in」なフレーズになります。

部分的に半音上げて緊張感を出す、といった話なんですが、へたくそがやると、単に間違った風に聴こえてしまう、諸刃の剣みたいな技です(笑)。

こういうのは、「意識してやってます」感を出すのと、アウトからインへのコーナリングをスムースにやるのが大事ですね。

ちなみに、この曲のレッテルAの最初の2小節のトニック部分。

後半、ドラムとのバースになったとき、ギャレットさんはこんなことを吹いてます。

 

Cのところで、半音下のBのトライアド。

どないやねん、と。

 

どないなんでしょうね。

半音下にアウト、というのか。

 

でも、これは、C△7のところでトニックディミニッシュのCdim7をイメージしてる、ともいえるかもしれません。

 

Mistyでよくあるパターン。

ルックアット「ミー」の瞬間が、B/Cで、C△7に解決していくやつ。

 

なんにせよこれも、自信満々に確信をもって吹かないとただの音痴に聴こえる諸刃の剣です。

Kenny Garrett、大好きなんですが、教材としては、、、

参考になりづらいですかね。

 

余談ですが、ギャレットさん「ピッチ」という意味では、(チューナーにあっているかどうかという意味で)「正確ではない」ことが多いです。

下手だからピッチが悪い、という話じゃなくて。

おんなじ「ド」の音を吹くときでも、前後関係、文脈や、和音に対する位置関係とかで、「ピッチの上ずったド」と「正確なド」と「ピッチの低いド」を吹き分けていると思います(あんまり上ずったのはないかな?。ピッチが低い音は、よくある)。

 

音源に合わせて一緒に吹くとよくわかるかと。

 

で、音源に合わせて練習してると、その後、自分が音痴になります(汗)

 

 

続く